インタビュー・コメント

ダニエル・コーミエ「コーチの戦略通りに戦わなかった」

UFC241のメインイベントではダニエル・コーミエ対スティーペ・ミオシッチによるヘビー級チャンピオンシップが行われました。

ところが前評判に反して、コーミエは第4ラウンドでミオシッチにTKOで敗れることになりました。

これまで40歳になる3月で引退すると公言してきたコーミエは、ケガのために引退を延ばしていましたが、今回の敗戦によって引退するのかどうか注目が集まっています。

しかしコーミエは今その決断をするつもりはないようです。UFC241試合後の記者会見で次のように語っています。

「たいていの場合、意思決定は感情に基づいている。私は感情で意思決定するような人にはなりたくない。戻ってセリーナ(妻)やコーチと話をして、次はどうするか考えるよ」

「負けることは私にとってイヤなことだ。自分は競争力のある選手だし、どんな試合であれ負けるのはイヤなんだ。フィニッシュされるというのは私にとって常軌を逸している。2度ストップされたが、それではダメだね。ただそうなったことについては十分理解できるくらい自分は利口だよ」

第3ラウンドまでのジャッジは、30-27、29-28、29-28でコーミエ有利で展開していました。

しかし第4ラウンドになって、ミオシッチがボディへのパンチを繰り出すことで一気に形勢が逆転することになります。

「かなり上手くやれていると感じていた。しかしその後、第4ラウンドで彼は何発か良いボディへのパンチを当ててきた。そして彼は私が見えなかった右手を打ってきて、フィニッシュした。彼は素晴らしい仕事をしたよ」

「(ミオシッチに対して)私はあのとき少しプレッシャーをかけなくなっていた。なぜかはわからないけどね。おそらく第5ラウンドのために休んで回復しようとしていたのかもしれない。その背後にある理由はわからないけど、明らかにそれはミスだった」

コーミエは第1ラウンドでミオシッチを担ぎ上げてのテイクダウンを行うなど、グラウンドで圧倒的な支配力を示しました。

ところがその後コーミエは、グラウンドよりも終始打撃を展開しました。

彼のコーチの戦略では試合中ずっとグラウンドでの攻防を行うことだったようで、コーミエはその戦略を捨てたと言います。

「それが戦略だったんだ。おそらく最大の失望は、私のコーチをがっかりさせたことだ。彼らは私に組み合うことを望んでいたんだ。トレーニングを受けた通りにやらなかったことが最も残念だよ。コーチを失望させたんじゃないかと思っている」

「成功を見つけ始めたとき、それに夢中になってしまうものだと思う。グスタフソンとの試合では、第1ラウンドで私が組み合っていたとき、彼は繰り返し攻撃をしてきて、その後第4ラウンドで私は組み合うことをしなかった。すると彼らは私にもっと組み合うことを求めてきていた(結果コーミエが判定で勝利)。今夜私はコーチの話を聞かなかったことで、究極の犠牲を払うことになった。いつもはそうしてもかなり上手くいってたんだけどね」

試合後には今後の進退について明言しなかったコーミエでしたが、どうするのかについては今後何らかの発表があるのかもしれません。