UFCの元二階級王者BJ・ペンが、またしても警察沙汰だ。2025年11月4日の早朝、ハワイ・ヒロの自宅付近で暴行の疑いにより逮捕され、今年に入ってなんと6度目の拘束となった。現地警察によると、ペンは45歳の男性に対し複数回のパンチとキックを浴びせたとされ、第3級暴行の罪で起訴。その後、1000ドルの保釈金で釈放されたという。
ペンは12月2日に初公判を控えているが、今回の騒動は長年続くトラブルの延長線上にある。2025年に入ってから、家族への暴力や接近禁止命令違反などを巡ってすでに複数回逮捕されているのだ。中でも注目されているのが実母ロレイン・シンとの確執。彼女は息子からの虐待的な言動を理由に裁判所へ接近禁止命令を申請しており、「BJは家族が殺され、偽物に入れ替わったと信じ込んでいる」と語っている。
警察の報告によれば、ペンは母親の防犯カメラにテープを貼ったり、自室の鍵に接着剤を流し込んだりした形跡もあり、盗難疑惑や暴力行為が重なって事態はさらに複雑化している。裁判所は現在、ペンの精神鑑定を命じており、責任能力の有無が焦点となっている。鑑定の結果次第では、医療施設での治療措置が命じられる可能性もあるという。
BJ・ペンといえば、かつてライト級とウェルター級の両方を制したUFCの伝説的ファイター。燃えるような闘志とテクニックでファンを熱狂させたあの姿からは、今の現実が信じられないほどだ。しかし、人間としての闘いはリングの中だけでは終わらない。栄光の裏で積み重なった心の傷や苦しみとどう向き合うのか——それこそ真の“闘士”としての試練かもしれない。
「ザ・プロディジー(天才)」と呼ばれた男の物語は、まだ終わっていない。復活を信じるファンがいる限り、BJ・ペンの魂は折れないはずだ。かつての王者が再び立ち上がり、自分自身との闘いに勝利する日を待ちたい!
