UFC代表のダナ・ホワイトは、元ヘビー級王者フランシス・ガヌーとの複雑な確執を明かした。かつてはパリの路上からUFCの頂点に立つ未来の大物として期待されたガヌーだが、ホワイトは彼の公のイメージとプライベートでの素顔とは異なり、真の人格は別物だと告白している。
ホワイトは、ガヌーが試合後のボーナスを受け取れなかったことに怒り、UFCオフィスで激しい口論になるどころか物理的トラブルに発展したと語る。さらに、UFCの契約交渉担当ハンター・キャンベルとも殴り合いに近いもみ合いがあったという。
2018年のタイトル戦を控えた際には、ガヌーが勝利前に既に契約内容において高額な待遇を要求し、ホワイトからはその態度を批判されるほどだった。結果はスティペ・ミオシッチに完敗し、その時点でホワイトは契約解除の意向を示していたが、マッチメイカーの説得で引き留められたという。
二人の関係は、ガヌーがPFLへ移籍し、ボクシングとの兼業を強く望んだことで決定的に悪化。当時の契約交渉は決裂し、自由契約選手となった。ホワイトは「フランシス・ガヌーは悪いやつで、いいやつではない。巧みに言葉を使いながらも隠しきれない素顔を持っている」と厳しく批判。現在はPFLとサウジアラビアで活動し、ジョン・ジョーンズとの対戦を望んでいるが、ホワイトは「契約したことを後悔しているはずだ」と辛辣な見解を示した。
この告白は、一流ファイターでありながらビジネス面で意見が対立する複雑な力関係を浮き彫りにした。格闘技界において勝者であることは時に苦難を伴うが、この闘いの舞台裏を見せたことで、ファンは選手の人間的側面も理解する助けとなる。
フランシス・ガヌーの今後の動向からは目が離せないが、業界の外側も内側も苦しみ、成長するプロの姿がそこにあるのだ。これからも真実の戦士としての一面を見守りたい！