UFCって何?(初心者向け)

ここでは当サイトの管理人をしている私が、『UFCって何?』という疑問についてお答えしたいと思います。

なお私は、2017年7月に当サイトを開設するまでUFCについては全く知識がありませんでした。

当時はUFC214(ジョン・ジョーンズ対ダニエル・コーミエ2)が行われる直前で、さらに8月にはフロイド・メイウェザー対コナー・マクレガーも予定されていました。

ところがそのときの私は、これらの選手を誰一人として知りませんでした。

こんな完全素人だった私でもこのサイトを更新することで、今ではそれなりにUFCのことを理解できるようになりました。

ただここまで色々知ってきたものの、初心者向けのサイトはなく、ウィキペディアは非常にわかりにくいです。

そこでそんなゼロから学んできた私が、ここでは初心者に向けたUFCの基本について解説したいと思います。

そもそもUFCって何?

まずUFCは何なのか?ってことで説明していきます。

UFCとは、Ultimate Fighting Championship(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)の略で、総合格闘技を行う団体です。

1993年に設立されたUFCは、これまでに400以上のイベントを主催しています。

このUFCは総合格闘技において世界最高峰の団体と言われています。

そのためUFCには、ボクシング、ブラジリアン柔術、サンボ、レスリング、ムエタイ、空手、柔道などあらゆる格闘技の出身者が集まってきます。

そしてUFCという世界最高峰のステージで、誰が一番強いのか?の称号をかけて戦っています。

もしUFCでチャンピオンになることができれば、それは事実上世界の総合格闘技においてトップを獲ったと言っても過言ではないため、選手が最終的に目指す舞台とも言えます。

総合格闘技は団体による交流が少ない

総合格闘技はUFCだけのものではありません。

アメリカにはUFCに次ぐ団体として、ベラトールMMAがあります。

また最近ではシンガポールのONE Championship、日本ではRIZNが開催されています。

各団体にはそれぞれスター選手が所属していますが、実はこれらの団体ではほとんど交流が行われていません。

ここで注目して欲しいのが、総合格闘技は主に会社組織で運営されているということです。

他のスポーツであれば、個別の団体の上位にそのスポーツを束ねる協会が位置しています。

例えば以下のような協会組織です。

  • サッカー・・・FIFA
  • バスケットボール・・・FIBA
  • ボクシング・・・WBA、WBC、IBF、WBO

ところが総合格闘技は全てをまとめるような協会組織は存在しません。

これはUFCだけでなく、世界中にいくつかある団体はどこも会社組織によって個別で運営されています。

  • UFC・・・WME-IMG(親会社)
  • ベラトールMMA・・・バイアコム(親会社)
  • RIZIN・・・株式会社ドリームファクトリーワールドワイド

これによって出場する選手は、いったん各団体と契約して出場することになります。

例えば先ほどもお伝えしたように、日本では総合格闘技団体としてRIZINが有名です。

しかしRIZINの選手がUFCに行ったり、UFCの選手がRIZINに行ったりすることがないのは、選手は団体ごとに契約があるからです。

ですのでもしUFCに行きたい!って選手が思った場合には、まず所属団体との契約が終わった後に、改めてUFCと契約をし直す必要があります。

何が言いたいのかというと、もしUFCを見たいと思うのであれば、まずUFCに所属する選手を知る必要があるということです。

UFCにいる選手は、UFCだけとしか契約していないため、他の団体では見る機会がないからです。(ただし契約満了後に他団体へ行く選手はいる)

UFCを知るためにはまず所属している選手をゼロから知る必要がある

UFCの基本ルール

日本で総合格闘技というと、四角形のリング内で行われるイメージがあります。

それはかつてのPRIDEや今のRIZINがリングで行うスタイルだからです。

しかしUFCではオクタゴンと呼ばれる八角形のケージの中で試合が行われます。

このケージですが、フェンスは金網で作られており、高さが6フィート(約1.8m)もあります。

ですので選手は一度オクタゴンの中に入ると、試合が終わるまでは外に出ることができません。

またオクタゴンの直径は30フィート(約9.1m)あるため、狭すぎず広すぎず戦うにはちょうどいい大きさです。

勝敗の決着方法

UFCでの試合は基本的に5分3ラウンドで行われます。

ただし各大会のメインイベントおよびタイトルマッチだけは5分5ラウンドで行われます。

簡単に言うと、この時間内に殴る、蹴る、絞めるなどによって相手を倒せば勝ちになります。

ただし殴るとは言っても、スポーツなので相手を素手で殴ることはありません。

出場する選手はショーツ、ファールカップ、オープンフィンガーグローブを着用して戦うことになります。

オープンフィンガーグローブはボクシンググローブと比べて非常に薄いため、UFCではパンチ一発でノックアウトになることも珍しくありません。

そして勝敗の決着方法は以下のようになっています。

  1. ノックアウト(KOのこと、打撃によって相手の意識がなくなる)
  2. テクニカルノックアウト(TKOのこと、レフェリーストップ、ドクターストップなど)
  3. サブミッション(寝技によるタップアウトや口頭によるギブアップのこと)

このうちのどれかが試合中に起こった場合、その時点で勝敗がつくことになります。

UFCの選手にとっては制限時間内に決着がつく勝利はとても名誉なことであり称えられます。

特に派手な勝ち方をした選手には、UFCでは試合後に特別ボーナス5万ドル(約530万円)が支給されるほどです。

なおKO、TKO、サブミッションを総称してフィニッシュするともよく言います。

一方で5分3ラウンド戦っても決着がつかないこともよくあります。

その場合には、ジャッジによる判定決着となります。

ジャッジはケージ傍に3人が座っていて、試合の状況を逐一チェックしています。

そして3人のジャッジは、各ラウンドごとにどちらが良かったかを10点満点で判断します。

例えばA選手とB選手が戦うとします。

そしてジャッジXさんは次のような判定を下したとします。

  • 第一ラウンド:選手A 10-9 選手B
  • 第二ラウンド:選手A 8-10 選手B
  • 第三ラウンド:選手A 10-8 選手B

この場合、判定になるとジャッジXさんは28-27で選手Aの勝利に一票投じることになります。

そして最終的にジャッジ3人による多数決で勝敗が決まる仕組みです。

知っておきたい試合での基本ルール

総合格闘技は何でもありのルールに思えますが、実際には細かく定められています。

とはいえ、実は私自身もルールを全て把握しているわけではありません!

そこで私が2年間見てきた中で、最低限これだけは知っておけば良いと思われるルールをピックアップしました。

これらが反則になることを知っておけばUFCを見るには問題はないかと思います。

以下の行為は全てUFCで反則になります。

  • 急所・眼球・喉への攻撃
  • 噛み付き攻撃
  • 頭突き
  • 脊椎や後頭部への打撃
  • 肘を垂直に落とす攻撃(ただし斜めからはOK)
  • 4点ポジション(手と足を地面についた状態)での相手への膝蹴り
  • 4点ポジションでの踏みつけ・サッカーボールキック
  • その他スポーツマンらしくない行為など

厳しいドーピング検査

オリンピックなどの国際大会ではドーピング検査が行われますが、それはUFCにおいても同様です。

UFCでは現在非常に厳しいドーピング検査が行われるようになりました。

UFCは2015年にUSADA(全米アンチドーピング機関)との提携を発表し、今では所属全選手がUSADAの厳しい検査を受けています。

USADAの方針により、選手はいつでもどこでも血液検査および尿検査を受けなければなりません。

2015年に開始されて以降、USADAは1年間に2,750件以上の検査を行い、選手1人あたり1年間に平均5回も検査を受けています。

これだけ厳しい検査があるにもかかわらず、中にはドーピング検査で陽性になってしまう選手も出てきます。

もし検査で陽性反応になってしまうと、選手は1年間以上の出場停止処分となってしまいます。

そのため選手は普段から食事やサプリメントなど、口に入れるものは問題ないか慎重になっています。

なぜUFCが世界最高峰と呼ばれるのか?

現在UFCは世界最高峰の格闘技イベントとして知られています。

しかし総合格闘技はそれぞれの団体が別個で運営されているため、単純な比較は難しいところです。

ではなぜUFCが世界最高峰と言えるのでしょうか?

これにはいくつかの理由があると思いますが、私は以下の2点が主な理由として挙げられると思います。

  • 理由1:UFCは歴史が長いから
  • 理由2:市場規模が最も大きい団体だから

UFCは多くの格闘技団体の中でも歴史が古く、1993年に第一回大会が開催されています。

ちなみにあのPRIDEが最初に始まったのは1997年なので、いかに歴史があるのかがよくわかります。

1993年にUFC1が開催され、その後2019年にはUFC240まで行われることになりました。

長い時間によって、今では北米だけでなくアジア、南米、ヨーロッパなどでも人気となっています。

そしてその結果、2019年からはアメリカのスポーツ放送局であるESPNと5年総額15億ドル(約1650億円)で契約を締結しています。

あのESPNが自前のストリーミングサービスである『ESPN+』でUFCを放送するために、これだけの高額なお金を支払うというわけです。

放送局との契約金額の大きさが、UFCの規模の大きさを表しています。

ファイトマネーも高額になる

UFCの規模が大きくて収入もたくさんあるということは、それだけ選手へのファイトマネーも多く支払うことができます。

ファイトマネーがどれだけ高額なのかというと、2018年のデータがそれを示しています。

2018年に出場したUFCチャンピオン15人による1試合あたりの平均ファイトマネーは以下の金額です。

  • チャンピオンの平均ファイトマネー:783,400ドル(約8300万円)

ちなみに2018年最も高額だったチャンピオンは、ハビブ・ヌルマゴメドフの257万ドル(約2.7億円)です。

そして2018年チャンピオン以外も含めると、最も高額だったのはヌルマゴメドフと対戦したコナー・マクレガーの300万ドル(約3.2億円)です。

1試合のファイトマネーが高額になるということは、強い選手が世界中からUFCに集まってきます。

それによってさらに競争が高まり、ますます面白い試合が実現し、ファンも増えてくるという良いスパイラルになっていきます。

競争激化→試合のレベルが上がる→ファンが増える→UFCが儲かる→ファイトマネーが増える→選手が集まる→競争激化

そのためUFCはこれまでの間に世界最高峰の選手たちを集めることに成功してきました。

UFCで開かれるイベント

UFCを見る上で欠かせないのが、開催されるイベントを把握しておくことです。

UFCでは大きく分けて2種類のイベントが開催されています。

  • UFCナンバーシリーズ
  • UFCファイトナイト

UFCナンバーシリーズというのは、UFC○○○など数字で表されるイベントのことを言います。

このナンバーシリーズは毎月1回のペースで開催されており、UFCにおいて最も高いランクに位置されるイベントです。

そのためナンバーシリーズのメインイベントは必ずチャンピオンシップ(暫定を含む)が組まれることになります。

ちなみにこのナンバーシリーズはペイパービューで販売されており、視聴にはその都度お金がかかることになります。

そして人気のカードが組まれると、多いときにはアメリカだけで100万件のペイパービューが販売されることがあります。

UFC歴代で最も多く販売されたのは、2018年10月6日に開催されたUFC229で、このときは240万件が販売されています。

それだけナンバーシリーズは大きな注目が集まる大会です。

なお日本でのUFCナンバーシリーズの視聴方法はこちらの記事をご覧ください。

UFCファイトナイトの存在意義

一方のUFCファイトナイトは、ナンバーシリーズよりも規模が落ちるイベントです。

とは言っても試合のレベルが低いわけではなく、メインイベントにはランキングの上位選手が出場しています。

UFCは他の格闘技団体と比べても階級が多く、所属する選手も多いです。

そのため全員が試合をするためには、毎月1回のナンバーシリーズだけでは組むことができません。

そこでUFCファイトナイトというイベントを多く開催することで、より多くの選手が出場することができています。

またUFCファイトナイトは、海外で開催されることも非常に多いです。

ちなみに以下は2019年にUFCファイトナイトで訪れる国(アメリカを除く)の一覧です。

ブラジル、チェコ、イギリス、スウェーデン、ロシア、カナダ、ウルグアイ、中国、メキシコ、シンガポール、韓国

UFCの規模はすでに世界レベルとなっているため、UFCファイトナイトによって各国でもイベント開催が実現しています。

そういう意味でもファイトナイトは非常に重要な大会です。

初心者がUFCを楽しむために行うべきこと

私自身UFCを最初に見たときには、何もわからないところからスタートしました。

それが今では毎回楽しみながら試合を見れるようになっています。

そんな私が思うUFCを楽しめるようになるための方法は以下の2つです。

  • 方法1:チャンピオンをはじめとするトップ選手を知る
  • 方法2:KOやTKOシーンをたくさん見る

格闘技はやっぱり自分が知っている選手が出ていないと楽しめないものです。

そのためまずはチャンピオンをはじめとするトップ選手を知ると試合が楽しめるようになります。

さらにUFCでは壮絶なKOやTKOシーンも満載です。

そういった迫力あるKOやTKOシーンを見ることで、よりUFCの面白さを感じることができるはずです。

この2点によってUFCを楽しめるようになるためには、まず半年〜1年間ほど試合を見続けると良いのではないかと思います。

というのも各階級のチャンピオンは、ナンバーシリーズ大会1回につき1人か2人しか出ないからです。

1年間ほど見続ければ、おおよそチャンピオン全員が1回ないし2回は試合をすることになります。

そうすればより一層UFCを楽しめるようになること間違いなしです!

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