UFCに欠かすことができないものの一つに階級があります。
体の大きな選手に小さな選手が挑んでも勝ち目はありません。
そこで試合に有利不利がつかないように、UFCでは必ず同じ体重の相手と試合を行うことになります。
このリミット体重別で分けることを階級と呼びます。
また選手によってどの階級に所属しているのか決まっています。
そういった意味でもUFCの階級は知っておく必要があります。
目次
UFCにはどんな階級がある?
UFCの階級は男性と女性で別々に設けられています。
以下はUFCでの階級一覧です。
男子(8階級)
階級名
|
規定体重
|
ヘビー級 | 265ポンド(120.2kg)まで |
ライトヘビー級 | 205ポンド(93.0kg)まで |
ミドル級 | 185ポンド(83.9kg)まで |
ウェルター級 | 170ポンド(77.1kg)まで |
ライト級 | 155ポンド(70.3kg)まで |
フェザー級 | 145ポンド(65.8kg)まで |
バンタム級 | 135ポンド(61.2kg)まで |
フライ級 | 125ポンド(56.7kg)まで |
女子(4階級)
階級名
|
規定体重
|
フェザー級 | 145ポンド(65.8kg)まで |
バンタム級 | 135ポンド(61.2kg)まで |
フライ級 | 125ポンド(56.7kg)まで |
ストロー級 | 115ポンド(52.2kg)まで |
UFCで行われる全ての試合は、これらのどれかの階級が必ず定められています。
ただし選手によって階級が決まっていますが、時に自分が所属する階級を変えたりすることもあります。
また男女合わせて12階級もあるため、「こんなにあると覚えられない!」と思われるかもしれません。
でも半年〜1年くらい見続けると、自然とUFCの階級と規定体重は全て覚えてしまいます。
UFCにおける階級は欠かせないものなので、全て知っておくとよりUFCを楽しむことができます。
UFCチャンピオンは各階級に存在する
階級を知ったら次はUFCのチャンピオンです。
UFCを見る上で欠かせないのは、その階級のチャンピオンは現在誰なのかを知っておくことです。
UFCに所属する全ての選手は自分が所属する各階級のチャンピオンが持つベルトを狙っています。
そのためたとえ目の前のタイトルマッチではなかったとしても、将来チャンピオンになるための重要な試合であることは間違いありません。
ちなみにUFCでは最近、2階級同時制覇を成し遂げることが流行っているようです。
UFCの長い歴史の中で、2階級同時制覇を成し遂げた選手は4人います。
- コナー・マクレガー(フェザー級・ライト級)
- ダニエル・コーミエ(ヘビー級・ライトヘビー級)
- ヘンリー・セフード(フライ級・バンタム級)
- アマンダ・ヌネス(女子フェザー級・女子バンタム級)
このうち2018年にはコーミエ、ヌネス、2019年にはセフードが成し遂げています。
そのため必ずしもUFCチャンピオンになったら、その階級だけに留まらなければいけないというルールはありません。
毎回異なる体重を作るのは大変ですが、きちんと2階級防衛することができるのであれば、2つのベルトを持ち続けることができます。
ペイパービューのメインイベントを務める
UFCで特徴的なのは、開催イベントごとにメインイベントを務める選手の名前が冠としてつくことです。
そしてペイパービュー大会であるナンバーシリーズでは、必ずチャンピオンシップがメインイベントとなります。
例えば以下のような感じです。
イベント名
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メインイベント
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UFC229 | ハビブ・ヌルマゴメドフ対コナー・マクレガー |
UFC236 | マックス・ホロウェイ対ダスティン・ポイエー |
UFC239 | ジョン・ジョーンズ対チアゴ・サントス |
UFC241 | ダニエル・コーミエ対スティーぺ・ミオシッチ |
チャンピオンにとっては、ナンバーシリーズのメインイベントを務めることは非常に名誉なことです。
さらにメインイベントを務めた選手には、ファイトマネーとは別にペイパービューボーナスがもらえることもあります。
というのもメインイベントによってペイパービューやチケット販売の売上が大きく左右されるからです。
そのためメインイベントを務める選手は、大会が近くなったらメディアの取材に答えたり、SNSを活用するなど、大きな注目を集めるように仕掛けていきます。
暫定チャンピオンって何?
UFCのナンバーシリーズでは、メインイベントは必ずチャンピオンシップになるとお話ししました。
しかし時にはメインイベントとして、暫定チャンピオンシップになることもあります。
UFCを見ない人にとっては、この暫定チャンピオンって何?って感じです。
実際に私もそう思っていました。
UFCの各階級にはそれぞれチャンピオンがいます。
しかしチャンピオンがケガをしたり、何か問題を起こしたりすると、しばらくの間チャンピオンシップが組めなくなります。
そうすると同じ階級にいるトップ選手たちは、タイトルを獲得するチャンスを失ってしまいます。
そういうときにUFCはチャンピオンが出場できない代わりに、その階級にいる別のトップ選手同士で暫定タイトルを作ることにしています。
暫定チャンピオンとは・・・現チャンピオンが出場できないときに、その階級のトップ選手同士が対戦して仮のチャンピオンになること
つまりUFCからトップ選手に対して、
「チャンピオンが今いないから、とりあえずあなたが暫定でチャンピオンね」
という特別措置を行ったと思ってもらえればわかりやすいかと思います。
ちなみに暫定チャンピオンにもきちんとしたベルトが与えられます。
ただし暫定チャンピオンはあくまでも暫定なので、本当のチャンピオンとは違います。
そこで本当のチャンピオンが出場できるようになったら、まずは暫定チャンピオンとタイトル統一戦を行います。
なぜなら同じ階級に2人のチャンピオンがいることはおかしいからです。
ということでUFCではチャンピオンが長い間出場できない事態になった場合、暫定タイトルが設けられます。
ちょっと紛らわしいですが、『暫定』にはこういう意味があったのです。
各階級に存在するランキング
各階級のチャンピオンの次は、ランキングについてお話しします。
UFCではチャンピオン以外に各階級ごとにランキングが存在しています。
ここでは全てのランキングを表示できないので、最新のランキングはUFC公式サイトをご覧ください。
UFCでは各階級ごとに1位〜15位までをランキングで表しています。
自分よりも上位の選手に勝てばランキングは上がっていき、負ければ下がっていきます。
このランキングは毎週更新されていきます。
そしてこのランキングによって、次のタイトル挑戦者が決められると言っても過言ではありません。
もちろん1位の選手が最も強いとされており、チャンピオンへの挑戦権が与えられます。
しかし最近1位の選手が挑戦して敗れていると、2位や3位の選手にもチャンスが与えられることもあります。
その辺りは各階級ごとの流れなどもあるため、一概に説明することはできません。
ただ一つ言えるのは、タイトルに挑戦したいのであれば、必ずランキングの上位に名を連ねておく必要があります。
そして上位に行きたいのであれば、現在自分よりも上位にいる選手を倒す必要があります。
そのためUFCではチャンピオンになるために、かなり過酷な競争を強いられることになります。
パウンド・フォー・パウンドランキングとは?
UFC公式サイトを見てもらうと、各階級のランキング以外にもう一つランキングが存在しています。
それがパウンド・フォー・パウンドランキングです。
通常UFCでは階級別によって試合が行われています。
そのため最も重いヘビー級と軽いフライ級の選手が試合をすることは絶対にありません。
しかし各階級にチャンピオンがいるため、比較することが困難です。
そこで階級を関係なしに戦ったとしたら、一体誰が強いのか?を表したランキングがパウンド・フォー・パウンドです。
パウンド・フォー・パウンドランキングとは・・・UFCの全選手で誰が強いのか?を表したランキング
ちなみにこれはこれまでの実績を元にしてランキングにしています。
UFCですでにタイトルを獲得した選手が次に狙うのは、このパウンド・フォー・パウンドで1位になることです。
それはつまりその階級だけでなく、UFC全選手でトップになることを意味します。
もっと言うと、UFCは世界最高峰のため事実上世界No.1ファイターであると言っても過言ではありません。
それくらいこのパウンド・フォー・パウンドはすごいランキングなのです。
試合前には必ず計量を行う
階級やランキングの説明の最後は、計量についてお話しします。
UFCではそれぞれの階級で規定体重が決まっているため、試合の前日に公式計量を行います。
この公式計量は必ずイベント前日(たいてい金曜日)の午前中に行われます。
午前中の3時間の間にファイターは計量ルームを訪れて、一人ずつ体重を測っていきます。
そして試合では階級と規定体重が予め決まっているため、その体重をオーバーすることは絶対にできません。
ただしチャンピオンシップ以外は、全て1ポンドだけ許容範囲として認められています。
計量で規定体重を超えてしまったら?
ではもし公式計量で規定体重をオーバーしてしまったらどうなるのでしょうか?
一応ルールとしては、失敗してから2時間後に再び計量を行います。
そういうときにはたいていショーツを脱いで、タオルを巻いて全裸での計量を行います。
そしてそれでも体重をオーバーしてしまったら、基本的に試合はできなくなってしまいます。
しかしもしメインイベントが試合前日になくなってしまうと、イベントが成り立たなくなってしまう可能性もあります。
そこで体重が少しオーバーしたくらいであれば、対戦相手の同意をもらった後にそのまま試合を行うことが多いです。
ただしその試合は通常の階級とは認められず、キャッチウェイトという特別枠での試合となります。
そしてもしチャンピオンシップで規定体重を超えてしまった場合、キャッチウェイトになるため、その選手が勝ってもベルトを獲得できません。
またキャッチウェイトで試合をしても、ファイトマネーが30%没収され、対戦相手へと支払われることになります。
だからこそUFCの選手は計量に失敗するとデメリットしかないため、しっかりと体重を作ってくる選手が多いのです。