元UFCライトヘビー級のジョン・ジョーンズは、2017年7月のUFC214でダニエル・コーミエと対戦し、ノックアウトで勝利しました。
ところが翌月にUSADAがジョーンズのUFC214で検査したサンプルからドーピング陽性反応があったとし、試合結果をノーコンテストに変更され、獲得したライトヘビー級タイトルを剥奪されることになりました。
しかしその1年後には、USADAがジョーンズは意図的に不正行為を行っていなかったとし、48ヵ月間の出場停止処分から15ヵ月間の出場停止処分へと変更することになりました。
そして2021年にUSADAは基準値に関して大幅なルール変更を行い、新しいルールであれば当時のジョーンズの数値だと違反として判定されなかった可能性があります。
ジョーンズは今週行われたUFC285のメディアデーで、USADAの規約変更について次のように語りました。
「USADAはピコグラムのレベルや許可される内容に関する規則を一部変更した。そして俺の場合は全て新しい基準値以下であることがわかった。つまりこれまで受けてきた全ての検査でクリアできたはずなんだ。それは俺にとって大きな意味を持つ。自分の無実を証明するために弁護士や科学者を雇ったのだが、制度と闘ったアスリートになれたことに感謝しているよ。他の若いアスリートたちのために、苦難に耐えることになったのか、それとも非難を受けることになったのかわからないが、俺が初めて経験したことだった。みんなは俺をうそつきだと批判した。今もし同じルールが当時適用されていたら、メディアに取り上げられることもなかっただろうし、全く話題にならなかっただろう。ダニエル・コーミエに勝ったとしても、ノーコンテストにはならなかっただろうね。ノックアウト勝ちだよ」
ジョーンズは2017年の再戦でダニエル・コーミエをノックアウトしたものの、試合後にドーピング検査で規約違反が発覚し、試合結果がノーコンテストに変更されました。
今回の変更によってジョーンズは、コーミエとの試合結果も変わることを期待していると語りました。
「今回のルール変更で、もしかしたらノーコンテストから勝ちに変えることができるかもしれないと期待している。それは俺にとって大きな意味がある。USADAに対して悪意を持っているわけでもなんでもなく、ただ俺らが経験しなければならないことだったんだ。俺が最初の人物になったが、それを経験したビッグネームの一人だよ。自分のやったことを嬉しく思う。なぜなら若い選手たちならこのような事態に耐えられなかっただろうからね。単に解雇されてしまうか、弁護士を雇えないとか、色々な問題が起こるだろう」
ジョーンズは自分の無実を証明するために戦ったことが、ルール改正につながり、それが将来のためになったことが嬉しいと語りました。
「俺はこのスポーツのため、メジャーリーグのために矢面に立ったんだ。そして未来の選手たちが、俺と同じ目に遭わないようにすることができて嬉しいね。ステロイドでインチキしたヤツだと思われるのは辛いことだったが、今俺は決してそうではないことをはっきりとわかってもらえて、解放されたような気がして嬉しいよ」