7月27日にイギリスのマンチェスターで開催されるUFC304では、UFC暫定ヘビー級王者のトム・アスピナルは、カーティス・ブレイズと防衛戦を行います。
UFC304はイギリスで開催されるものの、アメリカでの放送スケジュールに合わせて開催時間が設定されているため、アスピナルが試合をするのは早朝に予定されています。
そこで地元出身のアスピナルは、2011年の映画『Knuckle』は、アイリッシュ・トラヴェラーのベアナックル・ボクシングを掘り下げた作品を元に、試合に向けて昔ながらのルーティンをこなしながら調整をしているようです。
アスピナルは『The MMA Hour』に出演し、次のように語りました。
「ナックルというドキュメンタリーを見たことがあるかい?知ってる?イギリスの島を旅する人たちのドキュメンタリーだ。ビッグ・ジョー・ジョイスという古くからの旅のレジェンドが出演していて、ジプシー流の試合準備の方法を明かしている。私は自分の持つジプシーの伝統に立ち返りたくて、干し草の俵で小さなリングを作ろうと思ったんだ。午前4時になったらアラームで目を覚まして外に出て、干し草の俵の中でシャドーボクシングをしている。それから日が昇る頃に20分間ほど拳をガソリンに浸すという昔からのトラヴェラーのやり方をしているんだ」
「それによって今ここにあるナックルは、UFCで最も硬いナックルだ。岩のようだよ」
試合する時間帯がいつもと違って早朝になったとしても、アスピナルは開始時間は関係ないと語りました。
「私の考えだと、もし深夜12時に良い試合ができても、午前4時に良い試合ができないのなら、初めからそんなに良い選手じゃなかったということだ。世界中を旅し、自分自身を調整することなく異なるタイムゾーンで戦ったことは何度もある。そして今は地元でフルトレーニングキャンプを行い、戦う準備が出来ている。だからそれが言い訳になるなら、そもそもそんなに良い選手じゃないってことだよ。スパーリングは週に1回、平日なら週に2回、午前10時くらいからやっている。試合に向けた準備で体を慣らすために、真夜中にスパーリングを始めようなんて考えたこともないよ。30数試合戦ってきたけど、一度も頭をよぎったことはないんだ。これまで飛行機に乗ってどこかに旅行したとき、時差に悩まされたことは一度もない。なぜ今さら?とはいえ、そのために準備はしているよ。 朝起きて、シャドーボクシングをやって、真剣に取り組んでいるんだ」
「これはプロとしても個人としても大きな試合だ。今は人生のかなりの部分を占めていて、だからMMAというスポーツにのめり込んだんだ。夢や人生の目標に向かっていこうとしている人はたくさんいる。これが目標であり夢だよ。2週間後、地元マンチェスターで25,000人のファンの前でUFCヘビー級王座の防衛するなんてまさに夢だし、こんなレベルの夢を実現することができるのは、おそらく世界で0.5%くらいだろう。私はただ戦うことだけを言っているのではなく、夢や目標を持つ人全般に言っている。その日に何が起ころうともやり遂げるし、私の人生は全てここに通じているんだ」