UFCミドル級王者のドリカス・デュ・プレシスは、これまでキャリアでわずか2度しか敗れていない。その痛みは鮮明に記憶しており、「二度と繰り返したくない」という強い思いを胸に戦い続けている。今回のUFC319では、無敗のチェチェン出身ファイターカムザット・チマエフと激突。チマエフは逆境の経験こそあるが敗北は未体験だ。それだけにデュ・プレシスは「初黒星を味わったら、そのメンタルはどうなるのか」と興味を示す。
2018年にロベルト・ソルディックに敗れて以来、デュ・プレシスは11連勝中。強豪ロバート・ウィテカー、ショーン・ストリックランド、イスラエル・アデサニヤらを撃破し、その度に「最大の試練」を乗り越えてきた。今回もチマエフを非常に高い壁と評価しながらも「俺がチャンピオンでいる限り、彼は王者になれない」と断言。試合内容はグラップル合戦になるか、衝撃KOかは分からないが、「必ず勝つ方法を見つける」と自信を見せている。
一方のチマエフは尊敬を口にしつつも、UFC319で戴冠し、そのまま10月のアブダビ大会にも出場すると豪語。だがデュ・プレシスは「そんな予定は無理だろう」と一蹴。このやり取りは王者と挑戦者の緊張感を一層高めている。
無敗街道を突き進む“チェチェン・マウラー”と、試練を糧に進化を続ける南アフリカの王者。UFC 319の結末は、どちらの物語に分岐をもたらすのか!? リングの中央でベルトを掲げるのは誰だ――「またやった!ドリカスがやった!」と叫ぶ未来か、それとも新王者誕生か…この一戦、絶対に見逃すな!