ベテラン・レフェリー、ハーブ・ディーンがBelieve You Meポッドキャストに出演し、MMA界の“アイポーク問題”に新たなルールとガイドライン強化を宣言した。ディーンは、UFC 321でヘビー級王者トム・アスピナルがシリル・ゲインの目突きによりダメージを負い、ノーコンテストに終わった件を受けて行われたレフェリー会議の内容を明かす。
「従来から、指を目に向けて伸ばすのはファウルと定義されていたが、実態としては“厳格に”運用されてこなかった」とディーンは言い切る。今後は「実際に選手がダメージを受ける前に、危険な行為自体を未然に防ぐために、即座にポイントを取る」と断言。つまり、相手が怪我をしたか否かに関わらず、ファウル行為を見逃さない運用に切り替えるということだ!
ディーンは「ポイントを奪われることは試合の流れを大きく変えるが、ファンには意外な展開になると思う。MMAは3ラウンド戦で29-28が多いから、1ポイント取られただけでドローになることがある。それでも、安全のためには必要な措置だ」と強調。さらに、「目突きは明らかに危険な行為で、イエローカードを出すだけで済ませるのは不公平だ。ファウル行為を繰り返す選手には厳しく対応する」と覚悟を語っている。
現実的には、レフェリーがファウルを適用しないケースが多く、UFC 321アスピナル対ゲイン戦も「目突きが起きた時点で即座に警告を出すべきだった」との声が多数上がった。ただでさえ、MMAは常に判定やファウル、減点の基準が曖昧で、審判の裁量も大きい状況。今回のような重大事態で、ようやく見直しが進んだ感は否めない。
ディーンは今後、ファウルの定義自体をもっと“分かりやすく”することも必要だと指摘。「指を伸ばした瞬間はもちろん、パーリング(払い)でもフィンガー(指)が相手に触れる行為には注意を」と警鐘を鳴らす。実例として「ショーン・ストリックランドのように、常に指を閉じておくべきだ」と、ストリックランド選手のクリーンなスタイルを絶賛した。ストリックランドはバッドボーイのイメージだが、ディーンの理想像として挙げられたのは意外な展開だ!
今回のルール改訂で、選手にも真剣な意識改革が求められる。ファンも今まで以上に“クリーンなファイト”を望む空気が強まっている。プロレス界と同様、安全性と見せ場の魅力のバランスをどう取るか──今後のMMA界に注目しよう!たとえ“不本意なノーコンテスト”や“減点”が増えても、命や健康を守るために必要な進化と割り切るしかない。ディーンをはじめ、MMA界全体がこの課題に真剣に向き合うことで、より一層魅力的なスポーツへと成長していくことに期待したい!
