2月にロシアがウクライナへ侵攻したことを受け、3月にIMMAF(国際総合格闘技連盟)はロシアとベラルーシのチームを大会から追放することを発表しました。
ベラトールMMAのスコット・コーカー代表は、MMAレジェンドのエメリヤーエンコ・ヒョードルの引退試合について検討してきたものの、ロシアとウクライナの戦争が勃発し、その計画を中止することになりました。
ヒョードルはアメリカで戦えるかは未知数の状況で、ロシアの政治家でもあるためビザ申請は容易ではありません。
ヒョードルは『TASS.ru』のインタビューで、現在ロシアの格闘技界が世界から締め出されている現状に、スポーツと政治は分けて考えるべきだと主張しました。
「最近までスポーツは政治から切り離されていた。今、才能あるロシアのアスリートたちが国家間の社会政治的問題の人質になっているという事態が進行している。希望や計画、多大な努力はゼロになり、オリンピズムの大原則の正義に対する信頼は失われてしまったんだ。スポーツの発展にとって最も重要なことは、アスリートは立派な相手と競争することだと確信している。そして我々のチームは世界で最も強いチームの一つだ。競争力のある、常に発展し続けるチームが、世界のMMAから脱落してしまった。今年ロシア代表チームは国内選手権の一環として結成され、来年はすべての国際大会に参加できる準備が整ったことを伝えておきたい」
なおこの影響はアマチュアのMMAだけでなく、UFCの選手にも影響を与えています。
ウクライナ側についている西側諸国がロシア政府をさらに罰しようとしているため、ロシア(あるいはロシア関連国)の選手は、アラブ首長国連邦のアブダビといった場所以外では試合に出られない状況になっています。