アーロン・ピコがUFCの舞台で迎えた初陣は、華々しい期待とは裏腹に苦い結末となった。UFC319でフェザー級有力株リローネ・マーフィーとのセミメインに抜擢されたピコ。序盤は持ち前の鋭い動きで存在感を示したが、最終的にはマーフィーの一撃――スピニング・バックエルボーで豪快にKO負け。デビュー戦を飾るどころか、ファンを唖然とさせる衝撃的なフィニッシュを浴びてしまった。
それでもピコは失意に沈むことなく、インスタグラムで前向きなコメントを投稿。「昨夜は自分の日じゃなかった、それもまた格闘技。チームや家族、そして応援し続けてくれる全ての人に感謝。勝ちも負けも学びに変えて、次はもっと鋭く、強くなって戻る。物語はまだ終わらない」と宣言した。その言葉通り、健康面も問題なく、ファンへの感謝も忘れない姿勢が随所に光る。
格闘技界の期待の新星としてピコの名前が注目されたのは2017年のベラトール180。当時から“次世代の大物”と称されていたが、そのプロデビュー戦でザック・フリーマンに衝撃の24秒一本負け。だがそこから這い上がり、ベラトールではフェザー級で13勝4敗の戦績を誇り、多くの名フィニッシュを生んできた実力者である。
今回のUFCで勝利していれば、王者アレクサンダー・ヴォルカノフスキーへの挑戦も現実味を帯びたが、現状は再出発の必要あり。しかし、負けも事実だが、それ以上に“敗北から何を学び、どう進化するか”――真のファイターはここからが本番だ!アーロン・ピコの底力と可能性はむしろこれからこそ試される。勝ちも負けも全部自分の糧にして、必ずオクタゴンに帰還してくれるはずだ。ピコのリベンジロード、これからの成長に大いに期待したい!