UFCがMMAの次はグラップリング界制覇を目指す――そんな中、波紋を呼んでいるのがUFC BJJ(ブラジリアン柔術)ブランドの“クリーン化方針”だ。UFC BJJはTKO傘下でスタートし、元UFCファイターのクラウディア・ガデーリャがプロモーターを務め、すでに2大会を成功させている。興行の顔はマイキー・ムスメシ。ムスメシが参戦を決めた最大の理由も「ドーピングが蔓延した業界を生まれ変わらせる」というUFCの姿勢に賛同したためだ。
ガデーリャは「薬物検査を導入して、クリーンな最高決戦を目指すのが使命」と明言。記者から「“ドーピング”で有名なゴードン・ライアンは出場するのか?」と問われると「薬物使用者であれば絶対に出場不可」とハッキリ宣言。これにより、ADCC7回・IBJJF5回王者のライアンは、このままではUFC BJJに参戦できなくなった。彼は自身のPED(パフォーマンス向上薬)使用を公言し「業界の発展に必要」と主張してきたツワモノ。だが「業界の清浄化」が優先されるUFCでは、その道も閉ざされた格好となる。
ゴードン・ライアンもここ1年は健康問題で休養中。以前はUFC Fight Pass Invitationalに出場したこともあるが、今後クリーン路線を堅持するUFC BJJの門戸が開かれるかは不透明だ。UFC BJJの第3大会は10月2日、ラスベガスUFC APEXで開催予定。新体制でどこまで競技を“改革”できるのか、スポーツ界の真価が問われる局面でもある。
ドーピング根絶、技術と情熱という“素顔の闘い”を見せつけろ!マイキー・ムスメシ、クラウディア・ガデーリャ、そして“絶対王者”ゴードン・ライアン…それぞれの選択がグラップリング界の未来を動かす。新時代はここから始まる――本物だけの異種格闘サミット、次なるヒーローの登場にも要注目だ!