2015年にマリファナを使用したことで5年間の出場停止処分が下されたニック・ディアスは、その後18ヵ月間に短縮されたものの、いまだに試合には復帰していません。
そして昨年12月にはディアスのマネージャーが今年の復帰を見込んでいることを明らかにし、UFC261ではディアス本人が会場に姿を表したことから復帰の可能性が話題となりました。
UFCのダナ・ホワイトは会場でディアスと会って話をしたものの、復帰にはまだ疑問が残っているようです。
ホワイトは『ESPN』のインタビューで、ディアスの復帰の可能性について次のように語っています。
「ニック・ディアスについて私が疑問に思っているのは、彼が本当に戦いたいと思っているのかということだ。一緒になったときに会話が盛り上がって彼の復帰の可能性について話し合ったんだ。でも私にはどうなるかわからないよ。今年の夏や年末までの間にどうなるか様子を見てみよう」
なぜディアスが復帰に躊躇しているのかと聞かれたホワイトは、若い選手と比べてモチベーションがないのではないかと語っています。
「彼が休んでいた長さが問題だ。私は毎日トップ10に入りたいと思っていたり、世界チャンピオンになりたいと思っていたりするハングリーで若い選手たちと話をしている。ニック・ディアスは色々とやってきていて、大きな試合にも出場しているが、彼と話をしていてもそういった気持ちが感じ取れないんだ」
「現時点で思うのは、この男と戦いたいと言って戻って来るんじゃないかって思うよ。だから彼らが誰と戦いたがっているのかを確認してそこから判断することになるだろうね」
最近UFCではベテラン選手のリリースが行われており、今年にはジュニオール・ドス・サントスやアリスター・オーフレイムもリリースされました。
そして先週末のUFCファイトナイトではドナルド・セラーニがアレックス・モロノに第1ラウンドで敗れたことから、非常に厳しい状況となっています。
UFCはディアスだけでなく、そういったベテラン選手の扱いについてはいつも悩ましいところだとホワイトは言及しています。
「私がいつも思うのは、まず最初に今この世界で行われているあらゆる格闘技の種類において、どんなものでも市場があるということだ。そういうものを見たいと思う人たちもいるだろうが、私はいつもそれは自分の仕事ではないと言っているんだ。私が求めているのは、いつの日か世界チャンピオンになりたい、最高の選手になりたいと思っている、若くて才能ある選手たちだ。そういったタイプの選手たちを集めているんだ。でもこのスポーツにはまだレジェンドがいる。セラーニは週末に試合をしたばかりだ。今彼について、もう一度戦わせるつもりか?と多くの質問が寄せられている。ニック・ディアスはこのスポーツのレジェンドだけど、彼は再び戦うのだろうか?私たちはこれらの選手がまだここにいるべきかどうか、その都度判断しているんだよ」