インタビュー・コメント

ダニエル・コーミエ「もう戦うつもりはない」

8月のUFC252でスティーペ・ミオシッチに敗れたダニエル・コーミエは、これまで引退を示唆していたものの、正式に認めることになりました。

コーミエは今週月曜日(日本時間火曜日)に行われた『ESPN』とのインタビューで、ミオシッチ戦を最後に引退すると語りました。

「もう戦うつもりはないんだ。試合後にジョー・ローガンに話していたことだが、私の興味はチャンピオンシップのために戦うことだったし、負けたことで再びベルトをかけて戦うことは想像できない。キャリアで初めて2連敗したんだからね。そのときが来たんだと理解しなければならないし、スティーペに右パンチをもらったのは私が年を取ったからだ。時の流れには逆らえないよ。41歳で勝ちたいという思いで世界ヘビー級チャンピオンと戦った。立派に振る舞おうとしていたわけではない。勝ちたかったし、スティーペ・ミオシッチに勝てると信じていた。でも日が経つごとに、自分に有利に働くことはないんだよ」

コーミエはミオシッチに敗れてすぐに引退を発表することもできたもののそうはしませんでした。その理由はミオシッチが勝った瞬間を奪いたくはなかったからだと語っています。

「私が試合に負けたのはスティーペの瞬間だったからだ。彼はチャンピオンだ。なぜ私がそうしなければいけないというのか?私のようなヤツがそこでオクタゴンを引退すると、みんながそれ話題にするだろう。世界での立ち位置では、スティーペと私で差がある。もし私があそこでグローブを脱いでいたら、彼の手柄を横取りするようなものだ。私にはそんなつもりはなかったんだ。彼が勝ったんだからね」

ミオシッチに敗れた直後は、かつてジョーンズに敗れたときのように悲しみがあったとしながらも、今後はもう戦うことがないためにまた違った感情があったと語っています。

「本当に悲しかったし、いつものように泣いたよ。とても残念だったし、失望していた。コーチには仕事ができなかったことを謝罪したよ。妻や子供たちやみんなは私がこの試合に勝つと期待してくれていて、私の試合に向けた準備のために多くの犠牲を払ってくれたから謝罪したんだ。私は不機嫌になっていたときに自分の心の中で考え始めた。こういった反応は次の試合に向けた準備だったんだとね。ジョーンズに敗れたときに悲しくて泣いていたが、それは二度と同じことが起こらないよう痛みを忘れないようにしたかったからだ。それから考え始めたんだが、もう二度と戦うことはないと気づいたんだ。今回はこれまでと少し違った方法で対処する必要があったよ」

これまでUFCで輝かしい功績を収めてきたコーミエであっても、年齢による衰えには勝てなかったと語っています。

「若い選手たちは常に向上し続けていて、トレーニングを続けることで良くなり、若さを保ち続けている。私がジョーンズと初めて戦ったときもそうだった。私は35歳で、彼は25か26歳くらいだった。彼らはまだ若い。日が経つごとに私のピークは少しずつ過ぎ去っていくんだ。私はもう戦わないよ」

「先週末に数年前までバリバリやっていたロビー・ローラーのような選手が、ニール・マグニーのような才能ある選手と戦っているのを見ると悲しくなるね。かつてのロビーであれば、これほど厳しい試合にはならなかっただろう。ロビーはかつてローリー(マクドナルド)と往年の名勝負を繰り広げていたときから、今やファイトナイトのセミメインイベントでニール・マグニーに30-26で敗れるまでになってしまった。残念だよ。彼はまだ38歳だ。ロビー・ローラーが戦うべきではないと言うつもりはないが、41歳の私は次に何をすればいい?誰と戦えばいいのか?私は誰かを有名にさせるためのネタになる必要はないんだ」

コーミエは今後UFCのアンチドーピングプログラムから外れる考えを明らかにし、復帰は計画してないということです。

「これで扉を閉めることになる気がするよ。終わったんだ。悲しくはないよ。でもトレーニングキャンプや試合が恋しくなるだろうね。ファイトウィークに勝るものはないが、そのときが来ることを理解しなければならない。今がそのときだと感じているよ」