世界中の総合格闘技の中でも最高峰と言われるUFCですが、その裏では選手をバックアップする体制が整っています。
その一つがネバダ州ラスベガスに位置するUFC本社の隣にあるトレーニング施設です。
この施設は総合格闘技界はもちろん、アスリート全体で見ても優れた施設となっています。
そこでUFCファイターが利用するトレーニング施設はどんなところなのかを見ていきましょう。
UFCのトレーニング施設ってどんなところ?
UFCは2017年に本社と同じ敷地内に大規模なトレーニング施設をオープンしました。
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それがUFCパフォーマンス・インスティチュートです。
30,000平方フィートもある広大な施設には、UFCファイターに必要な施設が全て揃っています。
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かつてのUFCでは、1年に2〜3試合をするときに選手を確認する程度で、その後は3〜4ヶ月間連絡を取らないという状況でした。
そのためスタッフも選手が準備をしているときや回復しているときに、何をしているのか見当もつかなかったとスタッフは言います。
それではダメだとスタッフから選手と連絡を取ったり、影響を与えるために作ったのがこのUFCパフォーマンス・インスティチュートです。
この施設には最先端のトレーニング機器をはじめ、栄養士、トレーナー、スポーツ科学者、理学療法士の優秀なスタッフが常駐しています。
さらにUFCの全選手には無料で開放されているため、この施設を利用するためにわざわざネバダ州に移り住む選手もいるほどです。
ラスベガスに住んでいる選手は、施設オープン時には13人だったのに、2年後には30人ものファイターが住んでいます。
ちなみにUFCパフォーマンス・インスティチュートでは、ヨーロッパサッカーのように居住するスペースがありません。
そのため選手はトレーニングをした後はホテルや自宅に戻ることになります。
ですので旅費と宿泊費は実費になりますが、UFCはその負担を軽減するために割引された宿泊施設とシャトルサービスも行っているということです。
UFCパフォーマンス・インスティチュートの施設の中は大きく分けて3つのフロアに分かれています。
- パフォーマンス最適化フロア
- MMAトレーニングフロア
- 付加サービスフロア
それでは順番に見ていきましょう。
パフォーマンス最適化フロア
パフォーマンス最適化フロアでは、選手のパフォーマンスに対して専門家によるサポートを受けることができます。
パフォーマンスセンターには理学療法士がいて、ドライ・ニードリング、カッピング、ピラティスなどのさまざまなオプションを提供しています。
また施設でリハビリやトレーニングを希望するUFCの選手は、もちろん無料で利用することができます。
そして施設には一般では簡単に利用できない設備が整っています。
例えばこの写真は栄養カウンセリングルームです。
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DEXA法により身体組成評価がわかり、さらに代謝測定装置を併用することで、スタッフは体重を減らす最も安全で効果的な方法とそのために必要な時間を選手にアドバイスできます。
そしてこちら写真はハイドロワークスプール(流水プール)です。
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使用する選手は、前方への動きに抵抗して歩くか走ることができるためリハビリなどでも使用できます。
また壁の前方にあるテレビ画面に水中での動きを映すことができるビデオカメラによってパフォーマンスを確認できます。
さらにプールの近くにはサウナとスチームルームも完備しています。
こちらの写真は、プールの隣にあるリカバリールームと呼ばれる部屋です。
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ここでは理学療法士がいて、遠赤外線セラピーや全身冷却療法を受けることができます。
こちらの写真はウェイトルームで、筋力とコンディショニングを調整するフロアです。
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この部屋の中には、トレッドミル、パワーケージ、ダンベル、メディシンボールなどの通常の品揃えがあります。
選手がスクワットを行うときには、地面にフォースプレートがあるため、トレーニング効果をデータ化することができます。
そして部屋の反対側には、反重力トレッドミル『AlterG』もあります。
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空気圧を利用して自重を免荷した状態でトレーニングができるトレッドミルです。
自然な歩行や走行の状態を維持しながら免荷できるので、様々なリハビリテーションやトレーニングに活用できます。
またこの部屋にある低酸素チャンバーでは、コナー・マクレガーがフロイド・メイウェザーと対戦したときの準備として使用しました。
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最大22,000フィート(約6700m)と同じ高度トレーニングをシミュレーションすることができ、酸素レベルを50%に低減できます。
こちらの写真は屋内用トレーニング場になっていて、リハビリなどでも使われています。
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MMAトレーニングフロア
パフォーマンス・インスティチュートの1階にはハイテクな機器が揃っていますが、2階は主にローテクなものばかりです。
次にご紹介するのは、選手がMMAのトレーニングを行うフロアです。
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MMAでは様々なスキルが要求されるため、トレーニングフロアもいくつかに分かれています。
こちらの写真は打撃練習用のフロアです。
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ここには多くのサンドバッグが備えられていますが、ストライク測定機能付きなのでデータ化することができます。
こちらの写真は施設の2Fにあるフルサイズのオクタゴンです。
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オクタゴンのの周りに4台のカメラがあり、3Dモーションキャプチャと瞬時のビデオフィードバック機能を装備しています。
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このデータや映像はケージのすぐ外側にある大きなタッチスクリーンに直接送り込むため、選手とコーチに即座にフィードバックを提供しています。
こちらも同じく2Fにあるフルサイズのボクシングリングです。
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ちなみにこのMMAトレーニングフロアの中には、グラップリング専用の練習エリアもあります。
付加サービスフロア
最後にご紹介するのは、付加サービスフロアです。
ここは一言では説明しにくいのでトレーニング、リハビリ、コンディショニングなど以外の施設となります。
まずはカフェがあって食事を取ることができます。
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さらに選手はプロテインシェーク、ヨーグルト、フルーツスムージー、サプリメント、ビタミンなどを手に入れることができます。
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ここには栄養士が常駐しているため、選手はそれぞれの目標を達成するために何を食べるべきかを話し合うことができます。
もちろん、施設内の他のすべてと同様にUFC選手は無料です。
また施設内にはトレーニングセッション中にリラックスできる空間も備わっています。
中には仮眠を取れるスリープポッドもあります。
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選手がなだめるような音楽でリラックスし、23分間の昼寝を可能にします。
アスリートラウンジの残りの部分には、座ってテレビを見たり、Xboxがあるのでゲームをしたりするためのリラックスできる場所が備わっています。
施設の2階にはその他に、65人収容の階層型メディアセンター、100人の多目的ミーティングスペースなどもあります。
最後に
ここまでは写真でUFCパフォーマンス・インスティチュートを見てきましたが、YouTubeに動画がアップされていたので貼っておきます。
この動画では内部の様子を確認できます。(ただし英語です)
![](https://nba-japan.com/wp-content/uploads/2019/08/UFCってなに?-320x180.png)
![](https://nba-japan.com/wp-content/uploads/2019/08/UFCを観るにはどうすればいい?-1-320x180.png)